細胞表層技術を使うセルロース分解

バイオ技術でも、細胞におけるタンパク質の選択的な発現技術(ある特定の遺伝子が、特定の酵母細胞の表面でのみ、実際にタンパク質を生み出すようにする技術)を用いたものがあり、特に日本で進んでいます。

代表的な例はアーミング酵母です。

酵母細胞で遺伝子が発現して酵母の表層タンパク質となるアグルチニンと、セルロースを発酵させるセルラーゼなどを結合させ、セルロースやセロオリゴ糖などを最終的にエタノールに発酵させるというものです。

セルラーゼに限らず、さまざまな分解酵素を付与することで、より多様な炭水化物を分解できる酵母となります。

この技術を中核としてセルロースなどをエタノール化する技術が、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)を中心に開発されています。

そのためにまず、廃木材などの不要バイオマスに濃硫酸を作用させてペントース類やヘキソース類などを取り出します。

これは米国アルケノール社の技術を基礎に独自の改良を加えたものです。

この時にリグニンという成分(植物細胞をつなぎあわせる役目と考えられている)も得られますが、これは発酵に使えないのでボイラー燃料にします。

続いて凝集性アーミング酵母を再利用させつつ、連続発酵槽の中で発酵させます。

そしてゼオライト(シリコンとアルミニウムの複合酸化物を主成分とするセラミクス)膜により、ほぼ純粋な無水エタノールを取り出すというわけです。

トータルで35パーセントのエネルギー回収ができています。

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