セルロースからのバイオエタノール

サトウキビというものは、非常に高い商品価値を持ちます。

トウモロコシも人類や家畜にとっての重要な食料源です。

一方、植物を構成する物質の中には、そのように直接的に高い価値を持たないものもあります。

それからエタノールを作ることができれば、意味のあるバイオエタノール生成といえます。

その典型例が、セルロースからのバイオエタノール生成です。

セルロースというのは高級植物の細胞膜の主成分であり、多くの身近な植物の中にきわめて大量に存在します。

しかもヒトをはじめとした動物は自分でセルロースを分解できません。

草食動物の場合は、腸内の微生物が代りに分解してくれ、それを動物が消化しているのです。

実はこのセルロース、分子式はデンプンとまったく同じで(C6H10O5)nとなります。

つまりデンプンの異性体です。

ただ、図で示すように、CH2OHの基が順番に向きを変えながらつながっているだけです。

それだけで性質がずいぶんと変わってしまうのです。

先ほど述べたように消化しにくいだけでなく、水に溶けにくく、また糖分にも変えにくいのだから困ったものです。

とはいえ、デンプンと似た物質ですから、可能性がないわけではありません。

さまざまな取り組みがなされ、セルロースや、それに近い不要バイオマスから糖分を、そしてエタノールを取り出す技術が研究されています。

10章~12章でそれを紹介しましょう。

日本では三井造船が岡山県で、大成建設や丸紅が出資するバイオエタノール・ジャパン・関西が大阪府で、廃木材などからバイオエタノールを製造することを進めています。

後者のバイオエタノールはすでに全国で数台の供給スタンドで売られていますが、この動きに石油連盟は強く反発しているようです。

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