代表的バイオ燃料のバイオエタノール

前章最後に少し触れたバイオエタノールは、現在最も注目されているバイオ燃料の代表的存在です。

エタノール(エチルアルコール)という物質については6章で詳しく説明しますが、バイオ燃料としては、自動車エンジンのための燃料だと考えれば十分です。

エタノール単独でエンジン燃料にする場合もあれば、ガソリンと混合してエンジン燃料にする場合もあります。

バイオエタノールの導入が最も進んでいるのは、南米の大国ブラジルです。

実はブラジルでは、普通のガソリンスタンドで純粋なガソリン燃料は売られていません。

25パーセントの(無水)エタノールが混ざったガソリン燃料と、純粋な(とはいっても水分が7パーセント)エタノール燃料とが売られているだけです。

ほかにディーゼルトラック用の軽油は売られていますが、乗用車に関する限り、純粋エタノール対応車と、25パーセント混合エタノール対応車しか走っていないのです。

前者はかなり独自仕様の自動車ですが、後者は通常のガソリン仕様車を修正する程度で実現できるそうです。

ただ、エタノールはガソリンより引火温度がずっと高いので、最初にエンジンをかける時だけは、別タンクに用意されたガソリンを使います。

米国もバイオエタノール燃料に前向きです。

米国ではFFV(フレキシブル・フュエル・ヴィークル)といって、エタノールの割合が0パーセント(つまり純粋ガソリン)から85パーセントまで、どの割合であっても走行可能な乗用車が実用化されています。

割合をセンサで測定し、エンジン制御を微妙に変えるわけです。

欧州でも、EU全体としてバイオ燃料導入を推進しているほか、フランスやスペインでは、ETBE(18章で詳述)をガソリンと混合、またスウェーデンでも低割合から高割合まで、さまざまな形でエタノールが使われています。

通常のエタノールとは別にバイオエタノールという分子があるわけではありません。

したがってエタノールを石油などから工業的に作り、ガソリンと混ぜても、それでは二酸化炭素排出を減らしたことにはなりません。

あくまで植物から作りやすいからこそ、エタノールを使う意味があるわけです。

ちなみに日本ではエタノールを大量に入れたガソリンは認められていません。

品質上、3パーセント以下に抑えることが義務づけられています。

しかし京都議定書の基準を達成するために、日本でも推進すべしという声は大きいのです。

バイオエタノールの生産コストは、日本国内で作ると約100円/リットル、ブラジルから輸入すると輸送費や関税込みで60~90円程度です。

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